人口動態の変化や交通手段の変化などにより、ローカル鉄道の経営は厳しく、
単純な運輸収入だけでは成立しないケースが多い。
しかしローカル鉄道は地域の経済活動の支柱でもあり、見えない部分で地域社会を支えている。
運輸以外のローカル鉄道の収益追及の可能性を検証し、
より強いローカル鉄道経営を実現することで
地域社会のさらなる活性化に繋げていくことが可能なのではないか。
そしてそうしたニーズは全国各地に共通するものだと認識する。
湊線がリードし、ローカル鉄道経営の強化を実現していきたい。
鉄道の存在は重く、バスなどの自動車交通で代替できない性格を持っている。
鉄道の存在は地域の重みに直結しているのである。
すなわちローカル鉄道の廃線は地域としての存在価値が経済的には評価されないということを示し、住民に精神的なダメージを与える。
逆にローカル鉄道が活性化すれば地域社会の活性化のシンボル、
元気のシンボルとなる可能性を秘めている。
小さな経済圏であっても、地域社会の精神を安定させるローカル鉄道の意義を守り、
その存在の維持を推進していきたい。
課題先進国、日本。すでに人口減少経済に突入している。
高度成長期に整備された社会資本は老朽化しているが、人口減により需要が縮小するため、
こうした社会資本が刷新されなかったり廃止されたりする傾向にある。
ローカル鉄道はその代表格であるが、このまま経済合理性だけで判断すれば、
学校や病院、公民館なども廃止や縮小の運命にある。
社会資本は単純な経済合理性だけでその存廃を決めるべきではない。
それは経済合理性だけでは語れない存在価値があるはずだから。
鉄道という社会資本を経済合理性だけで捨て去るような判断にいったん疑義を提示し、
そうした社会とは別の、もうひとつの社会の在り方を人々に気付かせるような活動を展開できれば幸いである。